株式会社神戸大学キャピタル（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：山口 正弘（以下「KUC」））は、KUC1号投資事業有限責任組合（通称：神戸大学ファンド）を通じて、セレイドセラピューティクス株式会社（本社：東京都文京区、代表取締役：荒川　信行（以下「セレイド社」））への新規投資を実行しました。

セレイド社　概要
　セレイド社は、東京大学医科学研究所の山崎聡教授並びに中内啓光特任教授（現スタンフォード大学）が開発した技術の事業化を目指す東京大学発・筑波大学発ベンチャー企業です。

技術・ソリューションについて
　セレイド社は、ヒト造血幹細胞の体外増幅技術を用いた、血液がんや遺伝子疾患を対象とした細胞治療製品を開発しています。難治性血液疾患※1に対しては、血液の製造源である造血幹細胞の移植が唯一の根治法ですが、従来の骨髄移植や臍帯血移植といった造血幹細胞移植には、HLA※2マッチングと長期にわたる生着・造血機能※3といった課題が残っています。
　セレイド社のコア技術は、未分化性が維持された造血幹細胞である「長期造血幹細胞」を選択的に増幅することができ、その幹細胞を用いることで、既存の造血幹細胞移植のアンメットニーズを解消できる新規細胞治療製品を開発しています。

※1 血液細胞の異常により正常な血液が作られなくなる疾患。遺伝性血液疾患と、白血病などの血液疾患に大別される
※2 ヒト白血球抗原（Human leukocyte antigen）：HLAとは、ヒトがもつ白血球の型のこと。造血幹細胞移植では、HLAの中でも特に、HLA-A・HLA-B・HLA-C・HLA-DRの4種類が重要。それぞれ組合せが異なるHLAが2セット、合計8抗原からなる。患者とドナーの間でこれらの抗原を合わせる必要があり、すべてが一致することが最良。HLAは両親から1セットずつ遺伝的に受け継ぐため、きょうだい間でHLA-A・HLA-B・HLA-C・HLA-DRの8抗原が完全に一致する確率は1/4。しかし、それぞれで数十の種類があるため、非血縁者間で8抗原がすべて一致する確率は数万分の1となる
※3 移植された造血幹細胞が患者の骨髄の中で血液を作り出せる状態

本件投資背景
　KUCとして、これまで実施された非臨床PoCを通じ、長期の生着・造血機能（≒高い薬効）に資する未分化性が維持され、かつ増幅能の高い造血幹細胞の増幅技術として、世界レベルでの競合優位性が期待できる点や、製造工程開発・IND・GLP・臨床試験に向けた展開・準備を着実に推進されている点を高く評価させていただきました。また、神戸医療産業都市内に拠点をもち、神戸医療産業都市推進機構とも共同研究を推進していることから、神戸地域との連携もあり、このたび新規投資を実行しました。

資金調達の目的
　リードパイプラインにおけるFDAとのPre-IND Meeting申請に向けた製造工程開発および製造等に充当されます。

今後のセレイド社の取組について
　リードパイプラインの上市に向けたCMC活動の展開を一層推進するとともに、プラットフォーム事業においても、複数の製薬会社等との連携を通じて、細胞治療製品・遺伝子治療製品への応用可能性の検討・開発を推進していきます。

セレイドセラピューティクス株式会社　概要
設立　　　　　2020年10月8日
事業内容　　　ヒト造血幹細胞を活用した再生医療製品の開発、遺伝子治療などの次世代治療法の開発
本社所在地　　〒113-8485 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ
代表取締役　　荒川　信行
HP　　　　　 https://celaidtx.com/

「神戸大学ファンド」 概要
名称　　　　　KUC1号投資事業有限責任組合
設立日　　　　2023年1月
運用期間　　　10年間
規模　　　　　22億円
運営会社　　　株式会社神戸大学キャピタル・
　　　　　　　SBI大学発ベンチャー育成支援株式会社
　　　　　　　（本社：東京都港区、代表取締役：後藤　健）
投資対象　　　① 神戸大学発ベンチャー
　　　　　　　（プレシード等、シードステージのベンチャーも支援）
　　　　　　　② 他大学・研究機関発のベンチャー
　　　　　　　③ 神戸大学のOB・OGが創業したベンチャー

株式会社神戸大学キャピタル 概要
概要　　神戸大学発・地域発のシーズへの出資を行い、研究成果の社会実装を推進する投資会社
設立　　2021年10月
所在地　〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部2階
代表者　山口　正弘
URL　　https://kuc.vc/

【お問い合わせ先】
株式会社神戸大学キャピタル　担当：石田　真士
E-Mail：info@kuc.vc