株式会社神戸大学キャピタル（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：山口 正弘（以下、「KUC」））は、KUC1号投資事業有限責任組合（通称：神戸大学ファンド）を通じて、アルファフュージョン株式会社（本社：大阪府大阪市、代表取締役：藤岡　直、（以下「アルファフュージョン社」））　への新規投資を実行しました。

投資概要
アルファフュージョン社は2021年4月に設立された大阪大学発スタートアップです。放射線の中でも高い治療効果を持つα線の一種であるアスタチン（At-211）を用いたがん領域における標的α線核医学治療の実用化を目指しています。

多岐にわたるがん治療と課題
がんの主な治療方法は①手術療法、②放射線療法（内部照射・外部照射）、③化学療法（抗がん剤）、④免疫療法の4つがあり、これらはがんの四大治療法と呼ばれています。この四大治療法を筆頭に単剤・併用含めがん治療法は複数存在していますが、ステージや種類・部位により適応可能な治療法、効果は異なっています。切除の難しい難治性・転移の進んだがん等に対しては、放射線療法や薬物療法が取られますが、治療効果が限定的かつ副作用を伴うケースも多く、患者さんへのより良い治療法の提供が求められています。

望まれる国内での標的α線核医学治療（TAT）の開発と安定供給
アルファフュージョン社では、放射線内部照射治療の中でも殺傷力の高いα線核種の一種であり、放射性物質規制が厳しい日本において最も製造がしやすいアスタチン（At-211）を用いた新しいがん治療薬の開発を行っています。アスタチンとリガンド（抗体や低分子などがんに集積する物質）を結合させた新しい治療薬を開発することで、短期間で治療効果が高く、また、被ばくリスクなど副作用の少ないがんの外来治療（静脈注射による投薬）実現を目指しています。

KUCでは、次の２点を評価し、この度、第三者割当増資による新規投資を実行いたしました。１点目、国内における初のアスタチン核医学治療薬上市の可能性が高く、患者さんへの負担の少ない革新的ながん治療法確立の可能性が高いこと（市場先行性並びに研究開発力の高さ）。2点目、リガンドを変更することで様々な癌腫への適応が可能なプラットフォーム技術であり、他治療との併用等により、より多くの患者さんを対象とした治療の提供が期待できること。
同社への投資を通じ、アスタチンの特性を生かした治療薬の一日でも早い上市並びにTATががん治療の柱となることを期待しております。

同社では、希少疾患の適応症（他の治療法が効かず、ステージ後期の患者等）を初期のターゲットとし、将来的には既存のβ線治療からの置換や他治療との併用、更にはステージ初期の患者さんにも適応範囲を拡大していくことを目指しています。現在臨床に進んだパイプラインを2本（難治性甲状腺がん・去勢抵抗性前立腺がん）保有しており、今後は米国での治験も行なって行く見込みです。アスタチン創薬プラットフォームの先進的企業として、一日でも早く革新的ながん治療法を実現し、がんに関わる全ての患者さん・ご家族・人々の生活を希望に満ちたものに変革してまいります。

アルファフュージョン株式会社　概要
設立 ：2021年4月30日
事業内容 ：医薬品・診断薬・研究用試薬の研究開発・製造販売
　　　　　 医薬品診断薬等製造装置・研究用試薬製造装置の研究開発・製造販売
本社所在地： 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田２丁目５－１３
代表取締役： 藤岡　直
HP ：　https://alpha-fusion.com/

「神戸大学ファンド」 概要
名称： KUC1号投資事業有限責任組合
設立日： 2023年1月
運用期間 ：10年間
規模 ：22億円
運営会社： 株式会社神戸大学キャピタル・SBI大学発ベンチャー育成支援株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：後藤　健）
投資対象 ：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　① 神戸大学発ベンチャー（プレシード等、シードステージのベンチャーも支援）
② 他大学・研究機関発のベンチャー
③ 神戸大学のOB・OGが創業したベンチャー

株式会社神戸大学キャピタル 概要
概要： 神戸大学の研究成果の社会実装化、ベンチャー支援を通じた地域経済活性化への貢献を目指すベンチャーキャピタル
設立： 2021年10月
所在地 ：〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部2階
代表者： 山口　正弘
URL： https://kuc.vc/

【お問い合わせ先】
株式会社神戸大学キャピタル　　担当：八百板　寿参
E-Mail：info@kuc.vc