株式会社神戸大学キャピタル（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：水原　善史（以下、「KUC」））は、KUC1号投資事業有限責任組合（通称：神戸大学ファンド）を通じて、オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社（本社：愛媛県東温市、代表取締役：西岡 駿、（以下「オプティアム社」））　への新規投資を実行しました。

投資概要
オプティアム社は2020年6月に設立された愛媛大学発スタートアップです。独自のCAR配列作製技術「Eumbody System」を用いて、固形がん・難治性がんにも有効な先進的CAR-T療法の実現を目指しています。

免疫療法の中のCAR-T療法
がんのステージや種類・部位によって選択される治療法は様々存在していますが、本来からだが持っている免疫力を活かしてがんの治療にあたる免疫療法が近年注目を集めています。免疫療法には、大きく分けて①がんにより抑制されていた「がん免疫」を回復させ、免疫細胞による攻撃を再開させる治療法（＝免疫チェックポイント阻害剤）と②がんに対する免疫を増強する治療法（CAR-T療法・その他）の二つがありますが、既存のCAR-T療法は治療効果が高い一方で、主に難治性の血液系がん向けの治療法となっており、固形がんへの応用の期待が高まっています。

難治性固形がんへの応用
オプティアム社では同社独自のCAR配列作製技術「Eumbody System」を用いて、高い治療効果を誘導するCAR-T細胞を作製することで難治性の固形がんにも有効な先進的なCAR-T細胞療法の実現を目指しています。細胞外ドメイン（一本鎖抗体）に着目し、CAR抗原結合部分の最適化をすることで抗原特異性を維持したまま、治療効果が高く、寿命も長いCAR-T細胞の選定・設計の実現を可能にしており、ターゲットとなる抗原を変えることで、プラットフォーム技術として幅広い癌腫に展開可能な技術です。

KUCでは、以下2点を評価し、この度、第三者割当増資による新規投資を実行いたしました。1点目、市場先行性：国内外において初となる固形がんへのCAR-T療法の適応の可能性が高く、新たな治療の選択肢として拡大の可能性が期待できること。2点目、研究開発力：抗原結合部分の最適化という従来とは逆の発想により、CAR-T細胞の構造自体を改良することで、より根本的な改善を試みたこと。
同社への投資を通じ、一日でも早い固形がんへのCAR-T療法の適応が実現されることを期待しております。

オプティアム社では、当面はEumbody Systemより創生したFAPα（細胞膜タンパク質）をターゲットとしたCAR-T細胞の開発を推進していく予定です。現在非臨床ステージのパイプラインを2本（膠芽腫・リンパ腫）保有しており、膠芽腫は26年度の米国での治験を目指しIND申請準備を進めてまいります。難治性疾患で苦しんでいる方々のために、最適な医薬品をお届けできるよう、創薬研究開発に尽力してまいります。

オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社　概要
設立： 2020年6月30日
事業内容 ：医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入　　　　　　　　　　　　
　　　　　バイオテクノロジーに関する研究ならびにその受託、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　コンサルティング業務、
　　　　　バイオテクノロジーに関する情報提供サービス業　　他　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本社所在地： 〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
代表取締役 ：西岡　駿
HP： 　https://optieumbio.com/

「神戸大学ファンド」 概要
名称： KUC1号投資事業有限責任組合
設立日： 2023年1月
運用期間： 10年間
規模 ：22億円
運営会社 ：株式会社神戸大学キャピタル・SBI大学発ベンチャー育成支援株式会社　　　　　　　　　（本社：東京都港区、代表取締役：後藤　健）
投資対象：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ① 神戸大学発ベンチャー（プレシード等、シードステージのベンチャーも支援）
② 他大学・研究機関発のベンチャー
③ 神戸大学のOB・OGが創業したベンチャー

株式会社神戸大学キャピタル 概要
概要： 神戸大学の研究成果の社会実装化、ベンチャー支援を通じた地域経済活性化への貢献を目指すベンチャーキャピタル
設立： 2021年10月
所在地： 〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部2階
代表者： 水原 善史
URL： https://kuc.vc/

【お問い合わせ先】
株式会社神戸大学キャピタル　
担当：八百板　寿参　　E-Mail：info@kuc.vc