株式会社神戸大学キャピタル（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：水原　善史（以下、「KUC」））は、KUC1号投資事業有限責任組合（通称：神戸大学ファンド）を通じて、マイキャン・テクノロジーズ株式会社（本社：京都府京都市、代表取締役：宮﨑 和雄、（以下「マイキャン社」））　への新規投資を実行しました。

投資概要
マイキャン社は2016年7月に設立された京都大学発スタートアップです。独自の不死化⾎球作製技術を活⽤した研究⽤⾎球細胞(Mpv, Mylc)の提供を通じ、ウイルス感染症をはじめとした治療薬・ワクチン開発を⽀援しています。

動物試験の代替法として注目されているMAT
近年、動物愛護並びに再⽣医療等製品など新規モダリティの品質管理等の⾯から、従来のウサギ発熱性物質試験の代替法として、ヒト単球細胞株等を使⽤した発熱性物質試験（Monocyte Activation Test：通称*MAT試験）が注⽬されています。同試験は従来の動物試験で評価が難しいとされていたヒト特異的に反応する物質や微生物を評価できる一方で、評価精度の均一化や供給・生産等製造面におけるハードルが存在しており、安定的に利用可能な代替試験法の開発が求められていました。

*欧州・インド等で局方収載済の試験法であり、国内でも収載に向けた動きが進められています。

安定供給・生産が可能なMylcMAT®
マイキャン社では、独⾃の不死化⾎球細胞作製技術を活⽤し、発熱性物質試験に特化した世界初の増殖培養可能なヒト不死化単球細胞(aMylc細胞）の作製に成功しており、同細胞を⽤いた発熱性物質試験(MylcMAT®)を開発しています。不死化技術により、従来のMAT試験の課題であった精度の均一化や大量・安定的な生産・供給体制を実現しており、今後の感染症研究や医薬・機能素材の効能・安全性評価を飛躍的に効率化することが期待されています。

KUCでは、以下2点を評価し、この度、第三者割当増資による新規投資を実行いたしました。1点目、技術開発力：独自のノウハウと技術力により、競合優位性を確立しつつ安定生産可能な不死化単球細胞の作製を実現していること。 2点目、市場性の高さ：従来技術のハードルを克服したことにより、動物試験の代替法としてだけでなく、幅広い領域で細胞作製技術を応用・展開できる可能性があること。
同社への投資を通じ、これまで以上に感染症研究や医薬・ワクチン開発が加速されることを期待しております。

マイキャン社では今回の資金調達により、aMylc細胞を⽤いた発熱性物質試験(MylcMAT®)の国内および欧州での発売準備および供給体制構築を加速していくとともに、MylcMAT®の次世代の製品として位置付けているMylc細胞を使⽤したウイルス感染症検査についても開発を進めてまいります。MylcMAT®製品の供給およびウイルス感染症検査事業開発を実施することで「感染症に怯えず暮らせる社会」の実現にむけ、⼀層貢献をしてまいります。

マイキャン・テクノロジーズ株式会社　概要
設立： 2016年7月7日
事業内容 ：医薬品、研究用試薬、診断薬等の研究・開発・製造及び販売　 　　　　　　　　　　
バイオテクノロジー及びヘルスケア分野における研究・開発及び製造の受託　他
本社所在地： 〒615-8245 京都府京都市⻄京区御陵⼤原1-36
　　　　　　　京⼤桂ベンチャープラザ
代表取締役 ： 宮﨑 和雄
HP： 　https://www.micantechnologies.com/

「神戸大学ファンド」 概要
名称： KUC1号投資事業有限責任組合
設立日： 2023年1月
運用期間： 10年間
規模 ：22億円
運営会社 ：株式会社神戸大学キャピタル・SBI大学発ベンチャー育成支援株式会社　　　　　　　　　（本社：東京都港区、代表取締役：後藤　健）
投資対象：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ① 神戸大学発ベンチャー（プレシード等、シードステージのベンチャーも支援）
② 他大学・研究機関発のベンチャー
③ 神戸大学のOB・OGが創業したベンチャー

株式会社神戸大学キャピタル 概要
概要： 神戸大学の研究成果の社会実装化、ベンチャー支援を通じた地域経済活性化への貢献を目指すベンチャーキャピタル
設立： 2021年10月
所在地： 〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部2階
代表者： 水原 善史
URL： https://kuc.vc/

【お問い合わせ先】
株式会社神戸大学キャピタル　
担当：八百板　寿参　　E-Mail：info@kuc.vc