株式会社神戸大学キャピタル（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：山口 正弘（以下、「KUC」））は、KUC1号投資事業有限責任組合（通称：神戸大学ファンド）を通じて、株式会社VC Gene Therapy（本社：兵庫県神戸市、代表取締役：髙橋 政代、（以下「VC Gene Therapy社」））　への新規投資を実行しました。

投資概要

VC Gene Therapy社は髙橋政代氏を中心として2020年8月に設立された理研認定ベンチャーです。眼科領域・再生医療領域における研究・開発等を進める株式会社ビジョンケアの100％子会社であり、ビジョンケアグループ事業の一つである遺伝子治療を開発する企業として神戸アイセンターに本社を置いています。

治療法が確立されていない希少疾患「網膜色素変性」

網膜色素変性は、網膜外層の視細胞および網膜色素上皮細胞が変性することで網膜に異常をきたす遺伝性・進行性の疾患であり、国内では緑内障に次いで2番目に多い視覚障害となっています。　200近くの原因遺伝子が報告されており、症例が蓄積されている一方で解明が及んでいない原因遺伝子もあり、現在も研究が進められている指定難病の一つです。正常な遺伝子の補充や変性原因変異の除去など開発が進んでいますが、効果の持続性や適用範囲等の課題が残っており、治療法が確立されているとは言い難い状態です。

患者さんのQOL向上に向けて

VC Gene Therapy社では、網膜色素変性の中でも、顕性遺伝型（原因となる遺伝⼦より発生した産物が正常な遺伝⼦機能を阻害している状態）に分類され、最も患者数の多いRHO（ロドプシン）変異を対象とした治療法の開発を進めています。同社の技術により、効果の持続性、遺伝子挿入効率及び正確性、生体への適合性等従来の課題を解決するだけでなく、治療が一度で完了するため、患者さんへの負担を最小限に抑えた治療の提供が可能となります。

KUCはこれまで治療法が確立されていなかった網膜色素変性の新たな治療法となりうる可能性、また、RHO遺伝子を中心とし、今後、他の原因遺伝子治療にも応用可能性の高い同社の技術および患者さんのQOLを最優先に捉えた取り組み等社会的意義の高さを評価し、この度、新株予約権付社債による新規投資を実行いたしました。

同社への投資を通じ、神戸医療産業都市の活性化に繋がることを期待します。

VC Gene Therapy社では現在研究開発の最終フェーズに入っており、今後は適正製造基準下でのベクター製造や非臨床でのGLP一般毒性試験を実施したのち、治験での承認を目指します。患者さんへの一刻も早い治療の提供に向け、また、あらゆる手段で視覚障害の課題を解決することを目的とした神戸アイセンター構想の実現に向け、取り組みを進めてまいります。

株式会社VC Gene Therapy　概要
設立： 2020年8月7日
事業内容：
・遺伝子治療等に関する技術の研究及び開発
・遺伝子治療等に関する物品の製造、販売及び輸出入
・工業所有権、著作権などの知的財産の取得、保有、使用許諾、譲渡及び管理
本社所在地 ：〒650-0047
　　　　　　神戸市中央区港島南町二丁目1番8　神戸アイセンター5階
代表取締役： 髙橋　政代
HP： https://www.vcgt.jp/

「神戸大学ファンド」 概要
名称： KUC1号投資事業有限責任組合
設立日 ：2023年1月
運用期間： 10年間
規模： ファースト・クローズ 20億円（2023年1月末）
運営会社： 株式会社神戸大学キャピタル・SBI大学発ベンチャー育成支援株式会社　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（本社：東京都港区、代表取締役：後藤　健）
投資対象：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　① 神戸大学発ベンチャー（プレシード等、シードステージのベンチャーも支援）
② 他大学・研究機関　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　③ 神戸大学のOB・OGが創業したベンチャー

株式会社神戸大学キャピタル 概要
概要 ：神戸大学の研究成果の社会実装化、ベンチャー支援を通じた地域経済活性化への貢献を目指すベンチャーキャピタル
設立 ：2021年10月
所在地 ：〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部2階
代表者 ：山口　正弘
URL： https://kuc.vc/

【お問い合わせ先】
株式会社神戸大学キャピタル　担当：八百板　寿参
E-Mail：info@kuc.vc